【交通事故】無職者の逸失利益について

[ 2017.10 ] 筆者:菊田大介

 無職者の場合、事故時に収入を得ていないのですから、逸失利益も存在しないように思えます。しかし、裁判所は、労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性があるといえる人については、逸失利益を認めています。
 例えば、福岡地裁平成18年9月28日判例では、事故当時28歳の男性について、再就職先が決まっていなかったものの、比較的若く、介護士になる夢をもって専門学校への進学が決まっていたこと、事故前に正社員として勤務していた勤務先を退職後も、複数のアルバイトをしていたこと等から、専門学校卒業後に就職先を得る蓋然性が高いとして、賃金センサス男性学歴計全年齢平均555万4600円を収入の基礎とすることを認めました。
 訴訟では、本人の陳述書や、過去の就労履歴の資料、通学の資料等を提出することによって、将来的な就労の蓋然性を証明することになります。