クレジットも借金です

[ 2008.2 ] 筆者:吉田哲也

現代社会は、クレジット全盛時代です。

クレジットとは、買主が、売主から、物を買った代金を、クレジット会社が売主に立替払いし、買主がクレジット会社に対しお金を支払っていくというもので す。代金は、その場で現金払いするのが本来の姿ですが、現金を持ち歩かなくてよいということと、支払能力がなくても将来支払うことを約束すれば商品を持っ て帰れるという利便性から、多くの場面で利用されるようになっています。

しかし、本来支払うべきお金を後で支払うわけですから、「クレジット」は、「借金」に他なりません。

インターネットやETCカードの決済をする場合には、クレジット契約が必要な場合があります。また、店舗では、クレジット会社と提携して会員カードを発行しているところも多くあり、必要なくとも、クレジットカードを手にしてしまうことがあります。
車のような生活必需品の場合には、クレジットを組んで購入することは、やむをえないかもしれません。それでも、自分の収入の中から、返済すべき金額が捻 出できるかを検討し、十分に余裕をもって返済できるようでなれけば、やはりクレジットを組んで車を買うこともあきらめるしかありません。
最近では、不要不急のものをクレジットで買うケースが目立ちます。また、自分の商品を売るために客に無理なクレジットを結ばせるという不当な商法をやっている業者もあります。
近年、呉服の「過量販売」が社会問題となり、有名な呉服業者の手口が白日のもとにさらされ、倒産するということが相次ぎました。破綻した呉服業者のなか には、資金繰りがうまくいかなくなったので、客に無理にクレジットを結ばせることによって商品を売りつけて、その代金で資金繰りをしていた呉服業者もある ようです。この業者にとっては、目の前の客は、どうしても売りつけなければならない相手ですから、あの手この手で、クレジットを結ばせようとするのです。

まず、第一に気をつけなければならないのは、高価な服、着物、宝石などといった高価なものは、わざわざクレジットを組んでまで購入するほどの必要性はないのですから、クレジットで買うべきではありません。買うなら、お金をためて買いましょう。

次に、何か商品を売るときに、あなたが「でも、お金がないのよね。」と言っているのに、「大丈夫ですよ。クレジットでご購入できます。60回分割 にすれば、1回あたり2万円になりますよ。月々2万円ならお支払いできるでしょう。」などと、調子のいいことを言ってくるような販売業者は、あなたに無理 なクレジットを結ばせようとしていると思った方がいいでしょう。きっぱりと断るべきです。「お金がない。」と言っているのに買わせようとしているわけです から、販売業者は、あなたに「借金をしろ。」と言っているわけです。あなたのことを真剣に考えてくれる人が、あなたに「借金をしろ。」と言うわけがありま せんよね。そう、販売業者にとっては、あなたが借金を抱えて困ろうがどうしようが関係ありません。販売業者にとっては、商品が売れて代金をクレジット会社 から受け取りさえすれば万々歳なのです。そうした販売業者の口車に乗ることは、たいへんバカバカしいことです。

平成19年、人吉の裁判所では、約100件の破産申立てがありました。人吉・球磨の人口が約10万人ですから、1000人に一人の割合です。その多くが、クレジットで物を買った代金の支払いのために借金が増えていったことが、破産の原因になっています。

欲しいものがあるが、ちょっと足りないときに、気軽に代金を立て替えてもらえることは、便利なように見えて、実は、たいへん由々しき事態を引き起こすことがあります。
「欲しいものは、現金で買う。」この単純なことが、電子取引時代の到来とともに、失われてきているようです。