筆者:吉田哲也
Q. 夫と結婚して10年になります。7歳の子供がいます。このたび、夫が、ある女性と浮気していることが分かりました。離婚したいのですが、夫は、離婚はしたくないと言っています。私が離婚するにはどうしたらよいでしょうか?
A. 離婚には、大きく、「協議離婚」、「調停離婚」、「裁判離婚」があります。協議離婚は、夫婦がお互いに離婚するについて納得している場合に、離婚届出用紙を役所に提出すればできます。あなたの場合、夫が協議離婚には応じてくれないんですね。その場合には、協議離婚はできませんから、離婚調停を家庭裁判所に申立てるべきです。
Q. 離婚調停とは何ですか?
A. 調停とは、裁判所でお互いに話し合いをすることで、調停委員が間に入ってお互いの話しを聞いて、合意ができるように調整したりします。
Q. 夫とはすでに別居しています。もう顔も合わせたくないのですが?
A. 調停の場合には、夫婦別々に調停委員に話しをするので、基本的に顔を合わせることなく進めることも可能です。
Q. 恐らく調停しても話がつかないので、すぐに裁判をしたいのですが?
A. 離婚の裁判をする前に、まず調停をしないといけないという決まりになっています。ですから、裁判をするにしても、その前に調停をしなければなりません。
Q. 分かりました。ところで、離婚が決まったときには、子供の親権は私が絶対にとりたいと思っています。日本では、必ず母親が親権者になると聞いたのですが。
A. 母親が必ず親権者になる、ということはありません。父親がなる場合もあります。親権者は、子供のこれからの健全な成長にとって、どちらが親権者としてふさわしいのか、という観点から決まります。そして、その判断にあたっては、生活環境、経済力、親子の関係、子供の意思など、子供を取り巻くいろんな条件を全て考慮することになるのです。
Q. 親権者になるために、私自身の生活環境もきちんとしていないといけないということですね。ところで、もし、私が親権者になったら、子供を父親に会わせたくないのですが?
A. そうはいきません。あなたにとっては、浮気した夫であり離婚してしまえば赤の他人ですが、子供にとっては一生父親です。こうした人間的身分的なつながりを、あなたが一方的に奪ってしまうことは許されません。父子の面談の方法はいろいろあるでしょうが、子供を父親に会わせないでいいことにはなりません。むしろ、スムーズに父親と面談ができるように、あなた自身努力する必要があるでしょう。